「歩いていると、右側(または左側)の股関節だけが痛む」「片方の脚の付け根に違和感がある」——そんな症状に悩まされていませんか?股関節が片側だけ痛いというのは、よくあるケースですが、そこにはさまざまな原因が隠れています。
このブログでは、「股関節片側だけが痛むときの原因・治療」について詳しく解説します。症状が軽いうちに対処すれば、長引く痛みや手術のリスクを避けられる可能性もあります。
股関節片側だけが痛むときに考えられる原因とは?
股関節の痛みが左右どちらか一方にだけ現れる場合、いくつかの典型的な原因が考えられます。それぞれ見ていきましょう。
1. 変形性股関節症の初期段階
片側の股関節にだけ痛みを感じる原因として最も多いのが、変形性股関節症です。特に40代以降の女性に多く、股関節の軟骨がすり減ることで炎症や痛みを引き起こします。
初期は片方の関節だけに症状が現れることが多く、動き出すときの違和感や階段の昇降時の痛みとして現れます。
2. 股関節唇損傷(かんせつしんそんしょう)
関節を安定させる役割を持つ「関節唇」が、スポーツや日常生活での繰り返し動作により傷つくと、片側の股関節に鋭い痛みや引っかかり感が出ることがあります。
特に股関節を深く曲げたときや、ねじる動作で強く痛むのが特徴です。
3. 坐骨神経痛や梨状筋症候群
片側の股関節痛が、実は腰から来ているケースもあります。坐骨神経が圧迫されることで、お尻から太もも、股関節にかけて痛みやしびれが出ることがあり、これは梨状筋症候群など神経の通り道のトラブルが原因の場合もあります。
4. 股関節インピンジメント(FAI)
骨の形状異常により股関節が正常に動かず、軟骨や関節唇がこすれることで炎症が起きる病気です。
運動時に片側の股関節が引っかかるような感覚や痛みが特徴です。MRIなどの精密検査で発見されます。
5. 筋肉や腱の炎症(腸腰筋炎、滑液包炎など)
股関節周辺の筋肉や腱が炎症を起こすと、片側の股関節に鈍い痛みを感じることがあります。
スポーツや長時間の立ち仕事、姿勢不良などが引き金になるケースが多いです。
どんな検査で原因がわかるの?
レントゲンだけではわからないことも
初診では多くの場合、レントゲン撮影が行われますが、軟骨や筋肉、腱、関節唇などは映らないため、原因がはっきりしないことも珍しくありません。
MRI検査で詳しく調べる
軟部組織の損傷や骨内部の異常を把握するにはMRIが非常に有効です。
特に関節唇損傷や骨髄浮腫などはMRIでしか判断できないため、股関節片側の痛みが続く場合は整形外科でのMRI検査をおすすめします。
片側の股関節痛の治療法とは?
症状の原因や進行度によって、治療の内容も異なります。以下に主な治療法をご紹介します。
1. 保存療法(リハビリ・薬物治療)
多くの股関節疾患は、初期段階であればストレッチや筋力トレーニング、鎮痛薬の使用などで改善が可能です。
特に股関節まわりの筋肉を強化することで、負担を減らす効果が期待できます。
2. 再生医療による治療
近年注目されているのが、PRP療法や幹細胞治療などの再生医療です。炎症を抑え、組織の修復を促す効果が期待されており、特に手術を避けたい方に選ばれています。
3. 体重管理と生活習慣の見直し
股関節への負担は、体重が大きく関係しています。片側にのみ痛みが出る場合、立ち方や歩き方のクセによる片側負荷が原因のことも。
靴の選び方や姿勢、運動の見直しも治療の一環です。
4. 手術療法(進行した場合)
変形が進行した股関節や、再発を繰り返す関節唇損傷などには、関節鏡手術や人工股関節置換術などの手術が適応される場合もあります。
とはいえ、早期に治療を始めれば手術を回避できるケースも多いのです。
片側だけ股関節が痛むときに注意すべき症状
- 歩き始めに痛みが出る
- 脚の長さが左右で違うように感じる
- 音がする、引っかかるような感覚がある
- 痛みが腰や膝にも広がる
- 夜間や安静時にも痛みが続く
これらの症状が続く場合は、単なる疲労や筋肉痛ではない可能性が高く、早めの受診が勧められます。
まとめ|股関節の片側だけが痛いときは、早めの診断がカギ
股関節の片側だけが痛い場合、その裏にはさまざまな病気が隠れていることがあります。
「たまたま痛いだけ」「使いすぎたかも」と軽視せず、症状が続くようであれば早めに整形外科を受診しましょう。
原因に応じた適切な治療を受けることで、長期的な股関節機能の維持につながります。
日常生活に支障が出る前に、一度ご相談を
違和感や痛みは、身体からの大切なサインです。片側の股関節痛が気になる方は、信頼できる整形外科でしっかり診断を受け、適切な治療を始めましょう。
片側だけの股関節痛でお悩みの方へ|早めの診断がカギです
「いつの間にか、片側の股関節が痛むようになった」<
「歩くたびに違和感があって不安…」
そんな方は、変形性股関節症や股関節唇損傷などの可能性も考えられます。
早期発見・治療によって、将来的な手術リスクを回避できる場合も多くあります。
武蔵境の阿部整形外科クリニックでは、MRIを用いた精密診断や再生医療にも対応しています。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
ご予約・お問い合わせはこちら https://abe-seikei-cli.com
この記事の監修医師
一般社団法人エンジョイユアワーク 阿部整形外科クリニック 院長 阿部 瑞洋(あべ みずひろ)</strong><br>
日本整形外科学会認定専門医。股関節疾患を中心とした保存療法・再生医療に豊富な経験を持つ。<br>
武蔵野市・三鷹市を中心に、地域に根ざした丁寧な診療を行っている。