はじめに:その“ズキッ”とする痛み、我慢していませんか?
「子どもを抱っこした瞬間、股関節にズキッと痛みが走る…」
「歩くたびに足の付け根がつっぱる感じがある…」
そんな違和感や痛みを感じていながら、育児に追われて病院にも行けず、つい我慢していませんか?
実はその症状、産後の体の変化や育児姿勢のクセが原因で、股関節に負担がかかっているサインかもしれません。
このブログでは、整形外科医の視点から「育児中ママに多い股関節の痛み」の原因と対策、病院に行くべきサインについて、やさしく解説します。

Hip, back and spinal problems in adult ages.
なぜ育児中のママに「股関節の痛み」が起こるのか?
理由1:産後の骨盤のゆるみが原因に
妊娠・出産によって、女性の骨盤はホルモンの影響でゆるんだ状態になります。
この骨盤の不安定さが股関節に過剰な負担をかけてしまうことがあり、痛みや違和感につながることがあります。
特に産後は筋肉量も一時的に低下しているため、骨や関節をうまく支えられず、股関節にズレや圧迫が起きやすくなります。
理由2:片側ばかりで抱っこするクセ
育児中は、いつも同じ側で子どもを抱っこすることが多くなります。
この習慣が続くと、骨盤や股関節の左右バランスが崩れ、筋肉の使い方にも偏りが生まれます。
その結果、股関節周囲の筋肉が疲労しやすくなり、「ズキッ」とする瞬間的な痛みや慢性的な違和感が出やすくなります。
理由3:授乳やオムツ替えなどの前かがみ姿勢
赤ちゃんの世話では、どうしても前かがみの姿勢が多くなります。
この姿勢が続くことで、股関節前面の筋肉(腸腰筋など)が硬くなる一方で、お尻側の筋肉(中臀筋など)が使われにくくなります。
筋肉のバランスが崩れると、股関節の動きが悪くなり、立ち上がり動作や抱っこ時に痛みが出る原因になります。
「痛みの正体」は股関節周囲の筋肉と関節のアンバランス
原因の多くは「機能性股関節痛」
育児中の股関節痛の多くは、筋肉や関節の動きのアンバランスによって起こる“機能性股関節痛”です。
これはレントゲンなどで骨に異常が見つからなくても、股関節の動きに問題があることで痛みが出るタイプです。
一方、まれに以下のような疾患が関係していることもあるため、注意が必要です。
考えられる病気の例
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変形性股関節症(初期段階)
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股関節インピンジメント(FAI)
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鼠径部痛症候群(グロインペイン)
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関節唇損傷
これらの疾患が隠れている場合、長期間痛みが続く・夜間も痛む・動作に制限があるなどの症状が現れます。
今日からできる!股関節の痛みを和らげるセルフケア
① 骨盤のバランスを整えるストレッチ
やり方(膝倒し運動)
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仰向けに寝て、膝を立てる
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両膝をそろえたまま、左右にゆっくり倒す
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息を吐きながら動かし、20回程度繰り返す
ポイント:
力まずリラックスして行うことで、骨盤まわりの筋肉がゆるみ、バランスが整いやすくなります。
② 抱っこの左右バランスを意識する
いつも同じ側で抱っこしている方は、意識的に反対側でも抱っこする習慣をつけましょう。
できれば、両手でお腹の前に抱えるスタイル(両腕抱っこ)が体への負担を減らします。
③ 股関節をほぐすストレッチ(四股ストレッチ)
やり方:
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足を肩幅よりやや広めに開く
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ゆっくりと腰を落とし、股関節を開く
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両手を膝に乗せ、左右に軽く体をひねる
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股関節の内側が伸びていればOK
ポイント:
無理をせず、自分の可動域の範囲内で行うのが大切です。

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こんな症状があれば病院へ
以下のような症状がある場合、整形外科の受診をおすすめします。
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2週間以上痛みが続いている
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歩行がつらい・階段の上り下りが痛い
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夜間も痛みが出る
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動かすとゴリゴリ音がする
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痛みで抱っこや育児ができない
受診時は「育児中であること」を必ず伝えよう
病院での診察では、日常の動作や育児姿勢の情報が重要なヒントになります。
「いつから」「どんなときに」「どちらの足が」などをメモしておくと、スムーズに診察が進みます。
まとめ|育児中の体のサインに耳を傾けよう
子育てに追われて、自分の不調を後回しにしていませんか?
股関節の痛みは、体からの“無理してるよ”というサインです。
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骨盤のゆがみや育児姿勢のクセが原因
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放置せず、軽いうちからケアを
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セルフストレッチや姿勢の工夫が効果的
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痛みが続くときは整形外科へ
日々の育児を少しでも楽に、そして笑顔で過ごすためにも、ぜひご自身の体にも目を向けてくださいね。
よくある質問(FAQ)
Q. 産後どのくらいから股関節の痛みが出やすいですか?
A. 多くは産後1〜3ヶ月の間に出始めますが、抱っこや無理な姿勢が続けば1年以降でも出現します。
Q. 骨盤ベルトやサポーターは有効ですか?
A. 痛みの程度や骨盤の不安定さによっては効果的です。ただし、長期的には筋力強化や姿勢改善が重要になります。
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「まだ我慢できるから…」と思わず、今のうちにしっかりケアを。