はじめに:股関節痛は“年齢によって原因が異なる”ってご存知ですか?
「歩くと股関節が痛い…」
「年齢のせいかなと思っているけど、本当にそれだけ?」
実は、股関節の痛みの原因は年代によって大きく異なります。
同じ「股関節痛」でも、10代の成長期と、50代の更年期、70代以降の高齢者では、まったく異なる背景が潜んでいるのです。
このブログでは、10代から70代以上までの年代別に、股関節痛の主な原因と治療法を詳しくご紹介します。
自分やご家族の年齢に合わせて、正しい対処法を見つけましょう。
【10代〜20代】成長期やスポーツによる股関節痛
原因:成長や過度な運動負荷
若い世代で股関節痛が現れる主な原因は以下の通りです。
- 成長痛(骨端線の痛み)
- グローインペイン症候群(スポーツヘルニア)
- 先天性股関節脱臼の後遺症
- 股関節の柔軟性不足
✅ 症状の特徴
- スポーツの後に痛みが出る
- 股関節の前側や内ももがズキズキする
- 柔軟体操や開脚で違和感がある
治療・対処法
- 一時的な運動制限とアイシング
- ストレッチや体幹トレーニングによる姿勢の改善
- 痛みが強い場合は整形外科で画像検査を行い、関節疾患の早期発見を
【30代〜40代】育児・仕事・生活習慣による股関節の不調
原因:アンバランスな動作や筋力の低下
この年代は、仕事や育児・家事に追われる中で「股関節への負担が知らないうちに蓄積している」ケースが多く見られます。
- 骨盤のゆがみや姿勢の崩れ
- 中殿筋・腸腰筋などの筋力低下
- 股関節インピンジメント症候群(FAI)
- 軽度の臼蓋形成不全
✅ 症状の特徴
- 片側の股関節だけが痛む
- 朝よりも夕方に痛みが強くなる
- 階段や立ち上がり動作で違和感が出る
治療・対処法
- 整骨院や理学療法士による骨盤調整・姿勢改善
- 股関節まわりのストレッチと筋力トレーニング
- 進行する場合は股関節鏡視下手術などの選択肢も
【50代〜60代】ホルモンバランスと軟骨の摩耗が関係
原因:加齢による関節の変化や更年期の影響
この世代では、変形性股関節症や筋肉の衰え、ホルモンの影響が大きく関係します。
- 変形性股関節症の初期段階
- 更年期障害による骨密度の低下・血流の悪化
- 筋力低下や運動不足
✅ 症状の特徴
- 長時間歩くと股関節がだるくなる
- 座って立ち上がるときに痛みが出る
- あぐらをかくのがつらい
治療・対処法
- 再生医療(PRPや幹細胞)など保存的治療が注目
- 股関節サポーターの使用や体重コントロール
- 症状が進行している場合は、人工股関節置換術(THA)の検討を
【70代以上】変形性股関節症や転倒による痛みに注意
原因:関節の変形や筋力の大幅な減少
高齢期では、股関節自体の摩耗や、転倒による外傷が痛みの原因になることが多いです。
- 変形性股関節症の進行期
- 骨粗しょう症による骨折のリスク
- 大腿骨頭壊死や関節リウマチ
✅ 症状の特徴
- 歩くたびにズキズキする
- 足を引きずって歩いてしまう
- 夜間に痛みが出る・眠れないほどの痛みがある
治療・対処法
- 運動療法・物理療法・リハビリによる機能回復
- 再生医療や注射による保存的治療
- 人工股関節手術が必要なケースもあるが、手術リスクの精査が重要
【共通】股関節の痛みをやわらげるセルフケア
年代を問わず大切な「3つの習慣」
✅ 1. 股関節のストレッチを日常に
- 膝抱え運動
- 開脚前屈ストレッチ
- 腸腰筋の伸展
✅ 2. 姿勢と歩き方の見直し
- 片足重心を避ける
- 骨盤を立てて歩く意識を持つ
✅ 3. 体重管理と筋力アップ
- 体重の1kg増加で、股関節に約3倍の負荷がかかると言われています
- ウォーキングや水中運動など、関節に優しい運動を継続的に
まとめ:年代別に適した治療とケアで、股関節を守ろう
股関節痛は、「年齢のせい」と片付けてしまいがちですが、年代ごとに原因も治療法も異なります。
大切なのは、自分の体の状態を正しく知り、今の年齢に合った対処をすることです。
▶ ポイントのおさらい
- 10〜20代:スポーツや成長期の痛みに注意。無理は禁物!
- 30〜40代:骨盤のゆがみ・筋力低下に要注意。予防が鍵。
- 50〜60代:関節の変形や更年期の影響。早期対応で手術回避へ。
- 70代以上:転倒・骨粗しょう症のリスク管理が重要。
気になる症状が続く方は、自己判断せず専門医への相談をおすすめします。
その股関節の痛み、年齢のせいとあきらめないでください。
当院では、年代別に最適な治療プランを提案しています。
再生医療や保存療法、必要に応じたリハビリも対応可能です。
✅ 初診でもOK・保険適用可
✅ 専門医による丁寧な診察
✅ 完全予約制で待ち時間なし
▶ お問い合わせ・ご予約はこちら https://abe-seikei-cli.com
この記事の監修医師
阿部 瑞洋医師(整形外科専門医)
一般社団法人エンジョイユアワーク 阿部整形外科クリニック 院長。股関節・膝関節の保存療法・手術療法の両面に精通。特に変形性股関節症・臼蓋形成不全の治療経験が豊富で、患者の年齢や生活スタイルに合わせた個別の治療提案をしている。