はじめに|起き抜けの股関節痛、それは身体からの警告かも
「朝、布団から出ようとすると足の付け根が痛い」 「起き上がるときにズキッとするけれど、しばらく動けば気にならなくなる」
こんな経験をお持ちの方は意外と多いのではないでしょうか。実はこの”朝イチの足の付け根の痛み”、股関節の異変や病気の初期サインであることもあります。
このブログでは、朝に足の付け根が痛む原因と考えられる股関節の疾患や生活習慣、対処法、そして医療機関での診断・治療のポイントをわかりやすく解説します。
考えられる原因|朝の足の付け根の痛みと関係する疾患
1. 変形性股関節症
股関節の軟骨がすり減ることで関節が変形し、痛みや動きの悪さを引き起こす病気です。
特徴的な症状
- 朝起きた直後のこわばり
- 動き始めの痛み
- 長く歩いた後の鈍痛
注意ポイント
初期段階では”動き始めだけ”の痛みにとどまりがちで、症状が軽いため見過ごされやすいのが特徴です。
2. 股関節インピンジメント(FAI)
股関節の骨がぶつかることによって関節唇や軟骨が傷つく病気です。特に前屈や起き上がる動作で痛みが出やすくなります。
特徴的な症状
- 足の付け根に”詰まる”ような違和感
- 起床時の動作でズキッとした痛み
- 股関節の可動域制限
注意ポイント
若年〜中年層にも多く、スポーツ歴がある人に発症しやすい傾向があります。
3. 関節リウマチ
関節の内側に炎症が起こり、朝のこわばりや痛みが強く出ることが特徴です。
特徴的な症状
- 朝1時間以上続く股関節のこわばり
- 左右対称に痛むことが多い
- 疲労感や微熱を伴うことも
h3. 注意ポイント
自己免疫疾患であり、股関節以外の関節も同時に痛む場合は早期の受診が推奨されます。
4. 一時的な筋・腱の緊張や炎症
寝ている間の姿勢や冷えによって筋肉や腱に負担がかかり、朝に痛みを感じるケースです。
特徴的な症状
- 起きて数分~数十分で痛みが軽減
- 前日に激しい運動をした、または長時間座っていた
- 股関節に熱感や腫れはない
注意ポイント
改善しない場合や痛みが増すようであれば、他の疾患を疑う必要があります。
セルフチェック|病院に行くべきタイミングとは?
以下のような症状があれば受診をおすすめ
- 朝の痛みが2週間以上続いている
- 歩行時に足を引きずるようになった
- 股関節の動きが悪く、靴下を履きづらい
- 階段の昇り降りがつらい
自己判断せず、整形外科で画像検査を受けることが正確な診断への第一歩です。
対処法と予防|日常でできるケア
1. 朝起きたらストレッチで股関節を目覚めさせる
- 仰向けで膝を胸に引き寄せる
- 股関節まわりの筋肉をゆっくりほぐす
2. 骨盤と股関節の正しい姿勢を意識する
- 椅子に深く腰掛けて骨盤を立てる
- 寝るときは横向きにしてクッションを膝の間に挟む
3. 運動不足・体重増加に注意
股関節への負担を減らすためには、日常の運動や体重管理も重要です。ウォーキングや軽い筋トレを無理のない範囲で取り入れましょう。
医療機関での治療法|正確な診断と適切なケアを
画像検査による診断
- レントゲン:関節のすり減りや骨形態を確認
- MRI:関節唇や筋腱の損傷を詳細に評価
- 超音波:炎症や腫脹の有無を確認
保存療法と再生医療の選択肢
- 湿布・痛み止め・リハビリといった保存療法
- PRP療法などの再生医療は、変形性股関節症などの初期段階に効果が期待できます
まとめ|朝の痛みを「老化」と片付けずに、早めの対応を
「朝だけだから大丈夫」と思っていても、それは身体からの小さなSOSかもしれません。違和感を感じたときこそ、未来の自分の健康を守る第一歩です。
少しでも心当たりがある方は、無理せず整形外科の専門医に相談し、早期発見・早期治療を心がけましょう。
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この記事の監修医師
阿部 瑞洋 医師(整形外科専門医)
阿部整形外科クリニック 院長。股関節・膝関節を中心とした保存療法と再生医療に精通。20年以上の臨床経験と多数の手術実績を持ち、患者一人ひとりの生活スタイルに合った治療を大切にしている。