股関節痛の原因を見極める鍵|MRIでしかわからない股関節の病気一覧

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股関節に違和感や痛みを感じたとき、「年のせいかな」と放っておく方も多いかもしれません。しかし、股関節の痛みには、レントゲンでは見つからない深刻な病気が隠れていることもあります。特に、MRI(磁気共鳴画像診断)は、軟部組織や骨の内部構造を詳しく見ることができるため、精密な診断に欠かせません。このブログでは、「MRIでしかわからない股関節の病気一覧」をご紹介し、早期発見・早期治療の重要性について解説します。

MRIで発見される股関節の代表的な疾患とは?

股関節の病気の中には、初期段階ではレントゲンで異常が見られず、痛みの原因がわからないことがあります。そのようなケースで活躍するのがMRIです。以下に、MRIでしか発見しづらい股関節の病気を解説します。

1. 大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)

大腿骨の先端部分(骨頭)に血流が届かなくなり、骨が壊死してしまう病気です。初期にはレントゲンに異常がなく、痛みも軽度のため見逃されやすいですが、進行すると股関節の動きが悪くなり、強い痛みを伴います。MRIでは早期の壊死部位を高精度で描出できるため、早期発見・治療が可能です。

2. 股関節インピンジメント症候群(FAI)

骨の形状異常により、股関節の可動域が狭くなり、軟骨や関節唇(かんせつしん)にダメージを与える病気です。レントゲンではわかりにくく、MRIやMRA(造影MRI)によって関節唇損傷や軟骨の状態を確認します。スポーツをしている若者にも多く見られます。

3. 関節唇損傷(かんせつしんそんしょう)

股関節の安定性を保つ関節唇が、繰り返しの動作や衝撃で損傷することがあります。症状は軽度の違和感から鋭い痛みまで幅広く、MRIでのみ損傷の程度を把握できます。特に音が鳴る、引っかかる感じがする方は注意が必要です。

4. 骨髄浮腫(こつずいふしゅ)

骨の中にむくみ(浮腫)が生じ、痛みを引き起こす状態です。骨折の前段階であることもあり、スポーツや転倒による外傷で発生します。MRIでは骨内部の水分変化が検出できるため、骨折に至る前の診断が可能です。

5. 滑液包炎(かつえきほうえん)や腱炎

筋肉と骨の間のクッションである滑液包や、筋を骨に繋ぐ腱が炎症を起こすことで痛みが生じます。レントゲンでは軟部組織が映らないため、MRIでのみ炎症の程度や周囲組織への影響を確認できます。

なぜMRIが重要なのか?

レントゲンやCTとの違い

レントゲンは骨の形や関節の隙間を確認するには有効ですが、筋肉、腱、関節唇などの軟部組織までは映し出せません。一方、CTは骨の詳細な断面を見るのに向いていますが、軟部組織の描出はMRIほど得意ではありません。MRIは股関節痛の原因を特定するための最も有効な画像診断方法といえます。

早期発見で予防できる進行性疾患

股関節の病気は、時間とともに進行するものが多く、初期段階での発見がカギとなります。たとえば、大腿骨頭壊死症を早期に見つけられれば、人工股関節置換術を回避できる可能性もあります。「痛みが軽いうちにMRI検査を受けること」が重要です

こんな症状があればMRI検査を検討しましょう

  • 歩き始めに股関節がズキッと痛む
  • 長時間座ったあとに立ち上がると痛い
  • 階段の上り下りがつらい
  • 脚の付け根に違和感がある
  • 股関節から「コキッ」という音がする

このような症状がある場合、表面的には異常がなくても、内部に重大なトラブルを抱えている可能性があります。迷わずMRI検査を受けることをおすすめします。

MRI検査を受けられる医療機関の選び方

整形外科専門医が在籍しているか確認

MRIは撮影するだけではなく、その画像を正しく読影し、診断・治療方針につなげることが重要です。整形外科専門医が在籍しており、MRIに精通している医療機関を選びましょう。

再生医療など先進的な治療に対応しているか

MRIで早期に疾患が見つかった場合、保存療法に加え、再生医療やリハビリテーションなどの総合的なアプローチが有効です。こうした治療にも対応している施設だと安心です。

まとめ|MRIで股関節痛の本当の原因を見つけよう

股関節痛は日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、放置すれば進行して取り返しのつかない状態になることもあります。MRIでしかわからない股関節の病気は多く存在し、早期発見・治療のためにも正しい診断が重要です。違和感を感じたら、早めに整形外科を受診し、必要に応じてMRI検査を受けましょう。

あなたの股関節痛が、将来的に大きな問題へ発展しないために。今こそ、正確な診断への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

股関節の痛みでお悩みなら、まずはご相談ください

痛みを我慢して日常生活に支障が出てしまう前に、早めの診断と適切な治療を行うことが大切です。
「MRIでしかわからない股関節の病気」が心配な方は、武蔵境の阿部整形外科クリニックまでお気軽にご相談ください。

ご予約・お問い合わせはこちら https://abes-seikei-dli.com

 

この記事の監修医師
一般社団法人エンジョイユアワーク 阿部整形外科クリニック 院長 阿部 瑞洋

日本整形外科学会認定専門医。股関節疾患に対する保存療法・再生医療に精通し、地域に根ざした医療を提供している。

この記事を執筆した人

阿部 瑞洋 医師

  • 整形外科専門医
  • 股関節専門医

一般社団法人エンジョイワーク 阿部整形外科クリニック 院長。
股関節・膝関節の保存療法および再生医療に精通し、年間延べ3万人以上の患者様の診療実績を持つ。最新の医療と親身なカウンセリングで、地域医療に貢献している。

股関節の再生医療PRP療法|阿部整形外科クリニック

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