🏃‍♀️40代から意識したい!股関節の軟骨を守るための4つの生活習慣【専門医監修】

予防

「まだ痛みはないけれど、将来のために股関節を守りたい」と考えている40代・50代の方は非常に増えています。

 この年代は、股関節の軟骨がすり減り始める最初のターニングポイントです。特に女性は、生まれつき股関節の構造にわずかな不安を抱えている場合があり、気づかないうちに軟骨への負担が蓄積していることがあります。

「股関節専門医」である当クリニックでは、痛みが発現する前の「予防的なケア」こそが、健康寿命を延ばす鍵だと考えています。

このブログでは、あなたの貴重な軟骨を守り、将来の変形性股関節症のリスクを最小限に抑えるために、今日から意識してほしい4つの重要な生活習慣を専門医の視点から解説します。

 


1. ⚖️「体重」よりも「使い方」!股関節への過度な負担を避ける

股関節の軟骨にとって最も過酷なのは、「過度な圧迫」と「ねじれ」です。体重が増えるとその圧迫は強まりますが、実は、「体重の乗せ方」のほうが、軟骨の寿命を大きく左右します。

🚨専門医が指摘する「軟骨をすり減らすNG習慣」

  • カバンをいつも同じ肩にかける(片側に偏った荷重)
    → バランスを取るために骨盤が傾き、片側の股関節に大きな負担がかかります。
  • 床に座る際に「横座り」や「ぺたんこ座り(女の子座り)」をする
    → 股関節が深くねじれた状態で圧迫され、軟骨や周囲の靭帯に強いストレスを与えます。
  • スマホを見ながら、片足に体重を乗せて立つ(休めの姿勢)
    → これは体重の約3倍、時には約100kg以上の負担を片側の股関節にかけることになります。

🌟今すぐできる改善策:
椅子に深く腰かけ、両足を地面に均等につけましょう。床に座る場合は、できるだけ正座かあぐらを選ぶように意識してください。


2. 💪「股関節のサポーター」である筋肉を柔らかく保つ

股関節は、体の中で最も大きな関節の一つであり、その周りを強靭な筋肉が取り囲んでいます。これらの筋肉は、天然のコルセットとして関節を安定させ、衝撃を吸収する役割を果たしています。

しかし、40代以降、運動不足やデスクワークによって筋肉が硬くなると、この緩衝材としての機能が低下し、軟骨にダイレクトに衝撃が伝わりやすくなります。

🧘‍♂️股関節専門医が推奨する「股関節ケアストレッチ」

軟骨を守るために重要なのは、「股関節のインナーマッスル」と、股関節の動きをサポートする「お尻の筋肉(中殿筋)」を柔らかく保つことです。

太ももの裏(ハムストリング)のストレッチ

仰向けに寝て、片方の足の膝裏を両手で抱え、ゆっくりと胸に引きつけます。これにより、骨盤の動きがスムーズになり、股関節への負担が軽減されます。

お尻(殿筋群)のストレッチ

椅子に座り、片足のくるぶしをもう一方の太ももの上に乗せます。背筋を伸ばしたままゆっくりと前屈し、お尻の奥が伸びるのを感じてください。特に、デスクワークが多い方におすすめです。

🚨注意点:
痛みを感じるまで無理に伸ばす必要はありません。「気持ちいい」と感じる範囲で、毎日継続することが軟骨を守る最大の秘訣です。


3. ✨股関節のインナーマッスルを鍛える!専門医推奨の自宅トレーニング(安定性)

軟骨を守る上で、柔軟性とともに不可欠なのが「安定性」です。股関節の深部にあるインナーマッスル(腸腰筋、内転筋、中殿筋など)は、歩行時や立ち上がる瞬間に、股関節がブレるのを防ぐ重要な役割を担っています。

この筋肉が弱ると、関節が不安定になり、軟骨が不均一にすり減る原因となります。専門医が推奨する、自宅で簡単にできるインナーマッスルトレーニングをご紹介します。

🦵専門医推奨:股関節インナーマッスル強化トレーニング

A. 仰向けで「お尻持ち上げ」運動(ブリッジ)

  1. 仰向けに寝て、両膝を立てます。足幅は肩幅程度に開きます。
  2. お腹とお尻に軽く力を入れ、おへそを引っ込めるように意識しながら、ゆっくりと腰を床から持ち上げます。
  3. 肩から膝までが一直線になる位置で3秒キープします。
  4. ゆっくりと元の位置に戻します。

ポイント: 腰を反らしすぎないこと。股関節と体幹の筋肉を同時に使って関節を安定させます。

B. 横向きで「貝殻開き」運動(クラムシェル)

  1. 横向きに寝て、膝を90度に曲げ、軽く股関節も曲げます。
  2. 上側の足を、かかとをつけたまま、貝殻が開くようにゆっくりと持ち上げます。
  3. お尻の上部(中殿筋)に力が入っているのを感じながら、ゆっくりと下ろします。

ポイント: 体幹が後ろに傾かないように、背中と腰は一直線に保ちます。この運動は、歩行時の股関節の横揺れを防ぐために非常に重要です。

推奨頻度:
各種10回を1セットとして、無理のない範囲で毎日2~3セット行いましょう。


4. 💧「軟骨の栄養」を届けるための適度な運動を取り入れる

軟骨には血管がなく、その栄養は関節液から供給されます。関節液は、関節を動かすことによる「ポンプ作用」によって、軟骨の内部に浸透します。

つまり、動かさないでいると軟骨は栄養不足になり、脆くなってしまいます。

✅軟骨を守るために最適な「動かし方」

軟骨を守りつつ、ポンプ作用を促すには、「水泳」「ウォーキング」など、関節への衝撃が少ない運動が最適です。

ウォーキング

膝を高く上げず、「大股で早歩き」を意識しましょう。これは、股関節周囲の筋肉をしっかりと使うための理想的な歩き方です。毎日30分を目標にしてください。

水中ウォーキング

水中で行うことで体重の負荷が減り、軟骨を傷つけずに股関節の可動域を広げることができます。

⚠️避けたい運動:
激しいジャンプや、長時間の中腰姿勢が続くスポーツ・作業(草むしりなど)は、軟骨への強い衝撃やねじれを生むため、痛みがなくても避けるのが賢明です。


🏥最後に:専門医による定期的な「股関節ドック」のすすめ

このブログでご紹介した4つの生活習慣は、ご自宅で始められる大切な予防策です。

しかし、もしあなたが「親族に変形性股関節症の人がいる」「以前からなんとなく股関節に違和感がある」という場合は、早期に専門医のチェックを受けることが何よりも大切です。

当クリニックでは、レントゲンやによるわずかな骨の形の違いや、エコーやMRIによる軟骨の状態まで詳細にチェックし、将来のリスクを事前に予測します。

痛みが出る前に正しい診断を受け、あなただけのオーダーメイドな予防計画を立てることで、将来の「人工関節手術」のリスクを大きく下げることができます。

「動ける体」を維持するために、40代からの股関節ケアを私たち専門医と一緒に始めませんか?
まずはお気軽にご相談ください。

股関節の将来が気になる方へ

阿部整形外科クリニックでは、股関節の予防チェック(股関節ドック)から、リハビリ、再生医療まで、状態に合わせたケアをご提案しています。

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この記事の監修者

阿部 瑞洋(あべ みずひろ)
整形外科専門医/阿部整形外科クリニック 院長(東京都三鷹市・武蔵境)
股関節・膝関節の保存療法や再生医療を専門とし、
「患者さんが生涯、自分の足で歩ける医療」を目指して診療にあたっている。
阿部整形外科クリニック公式サイト

この記事を執筆した人

阿部 瑞洋 医師

  • 整形外科専門医
  • 股関節専門医

一般社団法人エンジョイワーク 阿部整形外科クリニック 院長。
股関節・膝関節の保存療法および再生医療に精通し、年間延べ3万人以上の患者様の診療実績を持つ。最新の医療と親身なカウンセリングで、地域医療に貢献している。

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