【保存版】中学生~高校生に多い股関節痛の原因とは?成長期特有のリスクと対策を解説

原因、症状

はじめに|「若いのに股関節が痛い」は珍しくない!

「うちの子、最近部活の後に股関節が痛いと言う」
「中学生なのに足を引きずって歩いている」
「成長期の痛みかもしれないけど、放っておいて大丈夫?」

そんな不安を抱える保護者の方も多いのではないでしょうか?

 実は、中学生〜高校生の思春期世代は、骨や筋肉の成長が急激に進む「第二次成長期」にあたり、股関節痛を引き起こしやすい時期です。

このブログでは、中高生に多い股関節痛の原因と、その見分け方・対処法をわかりやすく解説します。


中学生~高校生の股関節痛の特徴とは?

成長スピードと運動負荷のギャップが原因に

 中学生から高校生にかけて、体は大人の骨格に近づいていきますが、筋肉や腱はそれに追いつけないことが多く、骨や関節に無理がかかる状態になりがちです。

 特に部活動でスポーツをしている学生は、成長期+過度な運動というダブルのストレスが股関節にかかり、痛みの原因になります。


中高生に多い股関節痛の主な原因5つ

知っておきたい代表的な股関節トラブル

① 単純性股関節炎(たんじゅんせいこかんせつえん)

概要

 風邪などのウイルス感染の後に、関節液がたまって一時的に炎症を起こすことがあります。比較的低年齢層(小学生~中学生前半)に多く、突然の痛みや足の引きずることで気づくことが多いです。

症状

  • 歩くと痛がる、足を引きずる

  • 股関節や膝の内側を痛がる

  • 発熱が伴う場合もあり

対処法

  • 安静が基本(通常1〜2週間で回復)

  • 改善しない場合は整形外科で画像検査・血液検査を


② ペルテス病(大腿骨頭壊死症)

概要

 4〜10歳の男児に多いとされていますが、中学生でも発症するケースがあり要注意です。股関節の骨(大腿骨頭)への血流が一時的に途絶え、骨が壊死する病気です。

症状

  • 歩行時の痛み(足を引きずる)

  • 股関節〜膝にかけて痛む

  • 運動後に症状が悪化する傾向

対処法

  • 早期診断が最重要

  • 保存療法(免荷・装具)や手術が必要なことも


 ③ 大腿骨頭すべり症(だいたいこっとうすべりしょう)

概要

 成長期後半(中高生)に多く、大腿骨頭が徐々にずれてしまう疾患です。肥満気味の男子に多い傾向があります。

症状

  • 股関節〜太ももや膝の痛み

  • 歩くときに足を引きずる

  • 時間とともに悪化することが多い

対処法

  • 手術による骨頭の固定が必要なケースが多い

  • 放置すると将来、変形性股関節症になるリスクも


④ スポーツ障害(グローインペイン症候群など)

概要

 サッカーやバスケなど、方向転換・ジャンプ・切り返し動作の多い競技に多発。内転筋や腸腰筋、恥骨周囲の炎症が主な原因。

症状

  • 股関節の前や内側の痛み

  • キック・ダッシュ・開脚で痛む

  • 休むと楽になるが再発しやすい

対処法

  • 安静+ストレッチ

  • リハビリや体幹トレーニングが有効

  • 長引く場合は超音波検査などで評価を


⑤ 股関節の柔軟性不足や骨盤の歪み

概要

 体の成長に筋肉が追いつかないことで、柔軟性が失われ、股関節や骨盤に偏った負担がかかることがあります。

症状

  • 部活後のだるさや違和感

  • 座る・立つ動作で痛みがある

  • 左右差が大きい

対処法

  • 毎日のストレッチ

  • 姿勢改善・バランストレーニング

  • 必要に応じて整骨院や理学療法士に相談


どこを受診すればいい?いつ病院に行くべき?

痛みが続く・悪化する場合は早めの整形外科受診を

以下のような場合は、早急に整形外科またはスポーツ専門のクリニックを受診しましょう。

  • 痛みが3日以上続いている

  • 足を引きずる、歩けないほど痛い

  • 股関節だけでなく膝や腰にも痛みが広がってきた

  • 運動をやめても痛みが引かない

 レントゲンやMRIで股関節の状態を確認し、早期に正確な診断を受けることが再発や悪化の予防につながります。

「成長痛だから大丈夫」と思っていませんか?
実は、成長期の股関節痛の中には、重大な疾患が隠れていることも。
お子さまの違和感や歩き方の変化に気づいたら、まずは専門医に相談を。

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中高生の股関節痛を防ぐための5つの習慣

① 運動前後のストレッチを徹底しよう

 腸腰筋・内転筋・お尻周りの筋肉を中心に、動的ストレッチと静的ストレッチを両方実施するのが効果的です。

② 正しい姿勢と歩き方を意識する

 猫背や反り腰、がに股で歩くクセがあると、骨盤や股関節に余計な負担がかかります。

③ 靴やインソールの見直し

 クッション性の低いシューズやサイズが合わない靴は、股関節にも影響を及ぼします。

④ 休息と栄養をしっかりとる

 成長期には、睡眠・栄養・休息の3つが不可欠。オーバートレーニングには要注意です。

 ⑤ 痛みを我慢しない

 「まだ大丈夫」「練習を休めない」と無理をすると、慢性化や重大な疾患につながるリスクがあります。


まとめ|中高生の股関節痛は“成長と運動”のバランスがカギ

 成長期にある中学生や高校生の股関節痛は、
「成長+運動」のバランスの乱れが原因であることが非常に多いです。

 しかし、原因がはっきりしない場合や、痛みが長引くときは、
一度専門医に相談することが何より大切です。

「いつか治るだろう」はNG。
成長期の股関節痛は“今”対処することが大切です。
当院では、成長期に多い股関節疾患に精通した整形外科専門医が診察を担当します。
ご家族で気になる症状があれば、早めのご相談をおすすめします。

✅ スポーツ・成長期専門の整形外科医在籍
✅ X線・超音波・MRIなど精密検査に対応
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▶ この記事のポイントまとめ

  • 中高生でも、股関節の病気やスポーツ障害は起こりうる

  • 早期の正確な診断で、後遺症や再発を防げる

  • ストレッチ・フォーム改善・休息が予防の鍵

 お子さんが「股関節が痛い」と訴えたとき、
“ただの筋肉痛”で片付けず、体からのサインとして耳を傾けてあげてください。

この記事の監修医師
阿部 瑞洋 医師(整形外科専門医・スポーツ整形)
一般社団法人エンジョイユアワーク 阿部整形外科クリニック院長。思春期のスポーツ障害や成長期の関節疾患に多くの診療経験を持つ。ジュニアアスリートから高齢者アスリートまで幅広い年代のサポートも行う。

この記事を執筆した人

阿部 瑞洋 医師

  • 整形外科専門医
  • 股関節専門医

一般社団法人エンジョイワーク 阿部整形外科クリニック 院長。
股関節・膝関節の保存療法および再生医療に精通し、年間延べ3万人以上の患者様の診療実績を持つ。最新の医療と親身なカウンセリングで、地域医療に貢献している。

股関節の再生医療PRP療法|阿部整形外科クリニック

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