📝ブログの要約と読者へのメッセージ
毎日の「階段」「坂道」「立ち上がり」のたびに、股関節や膝の奥にズキンとした痛みが走る――。
その痛みは、日常生活の質(QOL)を著しく低下させ、外出をためらわせたり、将来に対する不安を強めたりします。
このような症状の背景には、「変形性股関節症」が隠れていることが少なくありません。
そして多くの方が、「このままいくと、いずれは人工関節の手術しかないのでは…」と不安を抱えています。
しかし、股関節専門医としてはっきりお伝えしたいのは、
「手術しかない」と決めつける前に、できることはまだたくさんあるということです。
このブログでは、
- 階段の痛みが「変形性股関節症」かもしれない理由
- 進行度で変わる治療選択肢と、当院の考え方
- 手術を回避するための「オーダーメイド保存療法」と再生医療(PRP)
- それでも手術を選ぶ場合の、最新の人工関節置換術の考え方
- 専門クリニックを受診すべき理由
について、わかりやすくお伝えしていきます。
1. 🦵なぜ階段の上り下りは「地獄」なのか?股関節痛のサインを見逃さないで
毎日の通勤や自宅での移動。
階段を使うたびに、股関節や膝の奥にズキンとした痛みが走り、
「いつか本当に歩けなくなるのではないか…」
という不安に襲われていませんか?
階段の上り下りが特に辛くなるのは、股関節に体重の約3倍~7倍もの強い負荷がかかるからです。
平地歩行よりも負担が大きく、軟骨がすり減っている方にとっては「地獄」のような痛みになってしまいます。
この強い痛みが示す、最も一般的な原因が「変形性股関節症」です。

🔍股関節の痛みが進行している3つのサイン
股関節の痛みは、初期・進行期・末期と、変形の進行度によって出方が変わります。
| 進行度 | 症状の特徴 |
|---|---|
| 初期 | ・歩き始めや、長時間座った後の立ち上がりに、股関節の奥(鼠径部)に軽い違和感 や痛みを感じる。 ・「疲れかな?」と見過ごされやすい。 |
| 進行期 | ・階段の上り下り、特に降りる時に強い痛みが走る。 ・長時間の歩行や立位が困難になる。 ・びっこ(跛行)が目立ち始める。 |
| 末期 | ・安静時や夜間にも痛みが続き、睡眠が妨げられる。 ・靴下を履く、足の爪を切るなどの日常動作の制限が顕著になる。 |
階段の上り下りの痛みが「当たり前」になってきたら、
それはあなたの軟骨がかなりすり減り、すでに進行期に入り始めている危険なサインです。
自己判断で我慢し続けるのではなく、専門的な診断を受けるタイミングと考えてください。

2. 🛡️「手術しかない」は誤解です!専門医が示す3つの治療選択肢
変形性股関節症は進行性の疾患ですが、「診断=即手術」ではありません。
股関節専門医として、私はいつも次のように考えています。
「手術を前提にする前に、どこまで関節を守れるか」
治療は大きく分けて、
- 保存療法
- 再生医療
- 手術療法
の3つのフェーズに分けられます。
🌟治療選択肢の判断基準と新たな希望
| 治療フェーズ | 専門医の治療方針 | 手術の可能性 |
|---|---|---|
| 初期 | リハビリ・運動指導による予防と痛みのコントロールを徹底。 | ほぼなし |
| 進行期 | 専門的な保存療法(注射、理学療法)で改善が難しい場合、再生医療(PRP)という新しい選択肢を検討。 | 再生医療で改善すれば回避可能。 |
| 末期 | 再生医療を含めた保存的治療で痛みがコントロール不能な場合、人工関節置換術を検討。 | 高い |
大切なのは、進行期に「手術を避けるための最善の努力」をすることです。
当クリニックでは、この進行期における再生医療の可能性を最大限に引き出すことに、特に力を入れています。
3. ✨【注目!】手術を回避する「第三の選択肢」:股関節再生医療(PRP)とは?
従来の保存療法(痛み止め、湿布、ヒアルロン酸注射、リハビリ)だけでは改善が難しい。
しかし、患者さん自身は「どうしても手術は最後の最後まで避けたい」と考えている――。
そんな方のために、当クリニックでは「再生医療(PRP療法)」に特に力を入れています。
💉再生医療(PRP療法)の仕組みとメリット
PRP(多血小板血漿)療法とは、患者様ご自身の血液を採取し、
遠心分離機にかけて血小板を濃縮した成分(PRP)を取り出し、
それを損傷した股関節の患部に注射する治療法です。
- 自己治癒力の活用:
血小板には、組織の修復を促す「成長因子」が豊富に含まれています。
これを患部に注入することで、自然治癒力を高め、軟骨や周囲組織の修復・再生を促します。 - 炎症と痛みの緩和:
成長因子は、慢性的な炎症を鎮め、痛みを和らげる効果も期待できます。 - 低侵襲性:
手術のように体を大きく切開する必要がなく、「注射のみ」で完了するため、入院の必要がなく日帰りで治療が可能です。 - 軟骨の維持:
進行期の変形性股関節症に対し、痛みの軽減だけでなく、軟骨の摩耗を遅らせる可能性がある治療として注目されています。
当院のこだわり:
PRP療法は、「どこに」「どれくらいの量」を注入するかが効果を大きく左右します。
当院では、エコーガイドを使用し、ミリ単位の精度で損傷部位に正確に注入することで、最大限の治療効果を目指しています。
詳しくはこちら ▶ PRP療法について

4. 🥇手術を回避するための「オーダーメイド保存療法」の全貌
当クリニックの保存療法は、単に痛み止めや湿布を処方するものではありません。
痛みの原因である「不安定性」と「炎症」を根本から断つことに焦点を当てた、集中的なプログラムです。
I. 痛みを鎮めるための専門的なアプローチ(炎症の鎮静)
エコーガイド下注射:
経験豊富な専門医が、超音波ガイド(エコー)を使い、痛みの原因となっている関節の深部や神経に、正確かつ安全に薬液を注入します。
(中略:患者様の状態に応じて、注射の種類・量・タイミングを細かく調整します)
II. 股関節を安定させるための理学療法(不安定性の解消)
薬や注射で一時的に痛みが引いても、股関節が不安定なままでは痛みは再発します。
そこで、理学療法士と専門医が連携し、あなたの股関節の「使い方」を根本から修正します。
- 中殿筋・腸腰筋など、股関節を支える筋肉の強化
- 骨盤の傾きや歩き方のクセの修正
- 階段の上り下り・立ち上がり動作の指導
こうした一連の保存療法を「オーダーメイド」で組み合わせることで、
「できる限り自分の関節で歩き続ける」ことを目標にしています。

5. 🩺手術を選択する場合:最新の人工関節置換術と回復への道
残念ながら、末期まで進行し、保存療法や再生医療をもってしても痛みがコントロールできない場合もあります。
しかし、現代の人工関節置換術は、かつてのイメージとは大きく変わりつつあります。
🔹現代の人工関節置換術の進歩
- 最小侵襲手術(MIS):
筋肉や腱へのダメージを最小限に抑える術式が主流です。これにより、術後の痛みが軽減され、入院期間やリハビリ期間の短縮が可能になりました。 - 人工関節の耐用年数向上:
使用される素材や技術の進化により、人工関節の耐用年数は20年〜30年と大幅に延びており、再手術のリスクが低下しています。 - 早期回復リハビリ:
手術後、痛みがコントロールできれば、翌日には体重をかけて歩く訓練を開始します。当院では提携病院と連携し、術後から階段の上り下りが再びスムーズにできるまでの緻密なリハビリ計画を立案します。
重要なメッセージ:
手術は「最後の手段」ではなく、「痛みのない生活を取り戻すための積極的な選択」へと変わりつつあります。
大切なのは、「どのタイミングで、どの選択肢が自分に合っているのか」を専門医と一緒に考えることです。

6. 📞階段の痛みに終止符を!股関節専門クリニックを受診すべき理由
長引く股関節の痛みを「歳のせい」「疲れ」で済ませてはいけません。
早期の正確な診断と、再生医療という新しい選択肢が、あなたの軟骨を守り、手術を回避する最大のチャンスを握っています。
専門クリニックの3つの強み
- 診断の精密さ:
股関節のわずかな変形や骨盤の傾きを見抜く、専門的な読影技術と診察ノウハウがあります。 - 治療の特化:
従来の保存療法に加え、再生医療(PRP)を含む最新の治療法に熟練した医師が在籍しています。 - 未来へのロードマップ:
患者様の変形の進行速度を予測し、
「あと何年、手術なしで快適に過ごせるか」
という具体的な未来の治療計画を提示できます。
「階段の上り下りが辛い」な生活は、もう終わりにしませんか?
私たちは、あなたの痛みと不安に真摯に向き合い、専門的な知識と技術で、再び軽やかに歩ける未来を取り戻すお手伝いをいたします。

階段の一段目を、もう一度「怖くない一歩」に戻すために
阿部整形外科クリニックでは、股関節専門医による診断と、保存療法・再生医療・手術までを見据えたトータルな治療計画をご提案しています。
まずはお電話、またはWebからご予約ください。
あなたの股関節の健康状態を、一緒にチェックしていきましょう。
この記事の監修者
阿部 瑞洋(あべ みずひろ)
整形外科専門医/阿部整形外科クリニック 院長(東京都三鷹市・武蔵境)
股関節・膝関節の保存療法・再生医療・手術適応までを一貫して行う。
「患者さんが納得して選べる治療」をモットーに診療にあたっている。
▶ 阿部整形外科クリニック公式サイト

