📝この記事でわかること(キーワード:股関節、筋肉)
- 股関節の痛みが「骨」ではなく「筋肉の機能不全」に起因する理由。
- 軟骨を守るために最も重要な「中殿筋」の鍛え方(専門医推奨トレーニング)。
- 痛みを悪化させずに股関節を柔軟にする効果的なストレッチ。
- 筋肉ケアで限界が来た時の、再生医療(PRP)という新しい選択肢。
1. 🔍なぜ股関節の痛みは「骨」よりも「筋肉」が原因なのか?
股関節の痛みは、多くの患者様が「歳のせいで骨がすり減ったから」と思いがちですが、専門的な観点から見ると、痛みの増減や突発的な痛みの原因の多くは、股関節を取り巻く筋肉の機能不全(硬さ・弱さ)に起因します。
1-1. 股関節を支える筋肉の「二重の役割」
筋肉は、股関節の「天然のコルセット」として、以下の2つの役割を担っています。
- 静的安定性(守り):深部のインナーマッスルが、軟骨に体重が均等にかかるように関節を固定する役割。
- 動的安定性(動き):アウターマッスルが、歩行や階段昇降時に体重の衝撃を吸収し、動力を生み出す役割。
この機能が低下すると、股関節が不安定になり、軟骨の一部分に強い摩擦が生じ、炎症と痛みが発生します。
1-2. 階段の上り下りが辛いのは「中殿筋」の弱さが原因
特に階段や坂道で痛みが強くなるのは、「中殿筋(ちゅうでんきん)」というインナーマッスルが弱っているサインです。中殿筋は、片足立ちの際に骨盤を水平に保つ「歩行の要」であり、ここが機能しないと、骨盤が傾き、軟骨に偏った強烈な力がかかり、痛みが誘発されます。
2. 💪股関節専門医が推奨!鍛えるべき「深部のインナーマッスル」の正体
股関節の痛みを根本から改善するために鍛えるべきは、股関節を深部で支える「インナーマッスル」です。
2-1. 【最重要】中殿筋の強化:歩行時のブレをなくす
🔹専門医推奨トレーニング:横向き「貝殻開き(クラムシェル)」
- 手順:横向きに寝て、股関節と膝を約90度に曲げます。かかとをつけたまま、ゆっくりと上側の膝を持ち上げ、股関節を開きます。
- ポイント:お尻の「外側上部」に力が入っているのを感じ、3秒キープします。体幹が後ろに倒れないよう、腹筋に力を入れます。
- 目標: 1日20回×2セット
2-2. 腸腰筋の強化:姿勢と連動性を回復させる
🔹専門医推奨トレーニング:仰向けで「膝抱え込み&足伸ばし」
- 手順:仰向けに寝て、片膝を胸に抱え込みます。抱え込んでいない方の足を、地面から数センチだけ浮かせた状態で5秒キープし、腸腰筋を刺激します。
- ポイント:足を浮かせた際に、腰が反らないようにお腹に軽く力を入れて体幹を安定させます。
3. 🌿硬い筋肉は軟骨を傷つける!股関節を柔軟にするケア
筋肉を鍛えるだけでなく、硬くなった筋肉を緩める「柔軟性のケア」も並行して行い、関節の動きをスムーズにすることが重要です。
3-1. 【ストレッチ】太もも前面(大腿四頭筋)の柔軟性回復
大腿四頭筋が硬いと、骨盤が前傾し、股関節に強い圧迫がかかりやすくなります。
- 手順:横向きに寝て、上側の足首をお尻の方へ引きつけ、太ももの前面が伸びるのを感じながら、30秒静止します。
3-2. 【マッサージ】深部の筋肉を緩める「テニスボール活用術」
手で届きにくい深部の筋肉(梨状筋など)は、テニスボールを使って圧迫することで効果的に緩められます。
- 手順: 床に座り、お尻の少し外側(痛いと感じるポイント)にテニスボールを当てて体重をかけ、痛気持ちいいと感じる範囲でゆっくりと転がします。
- 目標:30秒~1分間、硬くなっている部位を重点的に刺激します。
4. ✨筋肉強化の限界と「第三の選択肢」:股関節再生医療(PRP)
「毎日欠かさず筋肉トレーニングとストレッチをしているのに、痛みが一向に引かない」という場合、それは筋肉の強化や柔軟性のケアだけでは解決できない「軟骨の構造的な損傷」が原因である可能性が高いです。
その場合、「手術しかない」と考える前に、阿部整形外科クリニックが専門とする再生医療(PRP療法)という新しい選択肢をご検討ください。
💉再生医療(PRP療法)が筋肉と軟骨に与える影響
PRP療法は、ご自身の血液の成長因子を濃縮して注入することで、損傷部位の組織の自己修復力を高める治療法です。
- 軟骨への影響: 成長因子が、軟骨の分解を防ぎ、その維持・再生を促す効果が期待されます。
- 筋肉・腱への影響:*慢性的な炎症を起こしている腱や靭帯(筋肉と骨をつなぐ組織)の修復を促し、股関節の安定性を内側から改善します。
専門性の証明: 股関節専門医が、高精度エコーガイドを用い、PRPを最も効果を発揮する深部の関節内や、損傷した腱の付着部に正確に注入することで、最大限の治療効果を目指します。
📞【行動喚起】あなたの股関節痛は「筋肉」で治せるか?
あなたの痛みの原因が「単なる筋肉の硬さ」なのか、それとも「軟骨の摩耗」なのかを正確に知ることが、治癒への第一歩です。
阿部整形外科クリニックは、筋肉強化、再生医療、手術回避をトータルでサポートする股関節専門クリニックです。
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5. 📋よくある質問(FAQ)
- Q. 股関節痛の際に鍛えるべき、最も重要な筋肉は何ですか?
- A. 最も重要なのは「中殿筋(ちゅうでんきん)」です。これは歩行時や片足立ちの際に、骨盤が傾くのを防ぎ、股関節の軟骨に体重が均等にかかるように安定させる役割を担うインナーマッスルです。
- Q. 筋肉のケアだけでは痛みが治らない場合、どのような治療法がありますか?
- A. 筋肉強化やストレッチで限界が来た場合は、軟骨の損傷や炎症が進行している可能性があります。当院では、手術を回避する「第三の選択肢」として、ご自身の血液の成分を活用する再生医療(PRP療法)に力を入れています。
🏥記事監修
阿部整形外科クリニック
院長 阿部瑞洋 (股関節専門医・日本整形外科学会専門医)
当記事は、阿部瑞洋 院長による最新の医療情報に基づき作成されています。専門的な診断や治療が必要な場合は、必ず医療機関を受診してください。
クリニック詳細:https://abe-seikei-cli.com/

