「朝起きたら、急に子供が足を引きずって歩いている」
「膝が痛いと言うけれど、湿布を貼って様子を見ていいのかしら?」
大切なお子さんの歩き方に違和感を感じた時、親御さんの不安は計り知れません。ネットで調べても「成長痛」という言葉が出てきて、少し安心したり、でもやっぱり心配になったり……。
こんにちは。阿部整形外科クリニック院長の阿部です。
整形外科専門医、そして股関節専門医として、僕はこれまで多くのお子さんの股関節を診てきました。その中で、僕が最も強く伝えたいのは、「子供の股関節痛には、年齢ごとに『絶対に逃してはいけないサイン』がある」ということです。
成長痛で済むものもありますが、中には発見が数日遅れるだけで、将来歩行が困難になったり、若くして人工関節の手術が必要になったりする病気が隠れています。
今回は、お子さんの年齢に沿って、どのような病気を疑うべきか、そして何が「危険信号」なのか、いつもの2倍の情熱で詳しく解説します!

1. 【0歳〜1歳頃】痛みは言えません。キーワードは「左右差」
この時期は「痛い」と言葉にできません。親御さんがおむつ替えや着替えの時に感じる「違和感」が、唯一のヒントになります。
① 乳児股関節脱臼(発育性股関節形成不全)
股関節が外れかかっていたり、お皿の被りが浅かったりする病気です。痛みはありませんが、放置すると歩き始めてから強い跛行(はこう)が出ます。
- 見逃さないサイン: おむつを替える時に足が開きにくい、太もものシワの数や深さが左右で違う、片方の足が短く見える。
② 【最警戒!】化膿性股関節炎
これは整形外科における「救急(エマージェンシー)」です。細菌が股関節に入り、膿が溜まる病気です。
- 見逃さないサイン: 38度以上の高熱がある、おむつ替えで足を触るだけで激しく泣く、足を動かそうとしない。
膿が軟骨を数日で溶かしてしまうため、一刻も早い切開洗浄が必要です。「風邪かな?」と思わず、すぐに専門医を受診してください。

2. 【1歳〜4歳頃】歩き始めの「跛行」に注意
よちよち歩きからしっかり歩けるようになる時期です。急に歩かなくなったり、ハイハイに戻ったりした時はSOSです。
③ 単純性股関節炎
子供の股関節痛で最も多いものです。風邪を引いた後に、股関節に水が溜まって痛みます。基本的には1週間ほど安静にすれば治りますが、前述の「化膿性股関節炎」との見極めが専門医にしかできないため、自己判断は禁物です。
3. 【4歳〜9歳頃】活発な男子に忍び寄る「影」
運動量が増えるこの時期。特定の原因がないのに足を引きずり始めたら、この病気を疑います。
④ 【重要】ペルテス病
大腿骨の頭の部分に血がいかなくなり、骨が壊死して潰れてしまう病気です。なぜか「元気で活発な男の子」に多いのが特徴です。
- 見逃さないサイン: 運動した後にだけ足を引きずる、股関節が硬くてあぐらがかきにくい、数ヶ月単位で痛みが良くなったり悪くなったりする。
「骨が潰れる前に」発見することが、一生の歩行を守る鍵です。初期はレントゲンでも分かりにくいため、股関節専門医による精密なチェックが欠かせません。

4. 【10歳〜15歳頃】思春期の「膝の痛み」は罠かもしれない
身体が急激に大きくなる時期です。ここで最も注意が必要なのが、あべちゃん先生が一番警戒しているこの病気です。
⑤ 【最警戒!】大腿骨頭すべり症
大腿骨の成長板の部分で骨がズルッと滑ってしまう病気です。肥満傾向の男の子に多く見られます。
- 見逃さないサイン: 急に激痛で歩けなくなる。あるいは、数週間「なんとなく足が痛い」と言いながら引きずっている。
最大の特徴は「膝が痛い」と訴えるケースが多いことです。膝だけを見て股関節を見逃すと、骨頭の血流が途絶え、一生の障害を残します。思春期の子が膝を痛がっていたら、必ず股関節も疑ってください。

5. 「成長痛」という言葉で、将来をギャンブルにしないでください
もちろん、多くは一時的な痛みです。でも、もしその痛みが「化膿性股関節炎」や「すべり症」だったら? 専門医として、僕はそのリスクをゼロにしたいと考えています。
「ご家族も、お子さんが部活で走り回ったり、友達と元気に遊びに行ったりする姿を、いつまでも見ていたいですよね?」
痛みを気にせずサッカーができる。また笑顔でダンスを踊れる。そのためには、一回のレントゲン、一回のエコー検査が、お子さんの人生の守り神になるんです。

心配、困ったらすぐに「あべちゃん先生」を頼ってください
阿部整形外科クリニックは、お子さんにとっても「怖くない場所」でありたいと思っています。丁寧な説明と、専門医としての確かな診断で、お子さんの未来を全力でバックアップします。
「僕だったら、自分の子が少しでも変な歩き方をしていたら、その日のうちに検査をします」
「できるだけ早く不安を解消して、笑顔でお子さんと帰りましょう!」
※以下の場合は、明日と言わず「今すぐ」受診を!
- 熱があり、股関節を触ると激しく泣く
- 急に全く足がつけなくなった
- 膝が痛くて、足を引きずっている
子供の股関節に関するQ&A
Q:成長痛との見分け方を教えてください。
A:成長痛は主に「夜間」に痛がり、朝になると元気に走れるのが特徴です。日中も痛がったり、足を引きずったり(跛行)している場合は、成長痛ではなく何らかの疾患を疑うべきです。
Q:レントゲンは子供に影響ありませんか?
A:当院では最新の低線量装置を使用しており、必要最小限の撮影に留めます。診断が遅れるリスクに比べれば、安全性は十分に確保されていますのでご安心ください。
Q:スポーツを続けさせても大丈夫ですか?
A:原因が判明するまでは、激しい運動は控えていただくのが賢明です。診断の結果、続けても良いもの(単純性股関節炎の回復期など)であれば、段階的な復帰をサポートします。
「お子さんの一生の歩行を守るために」
整形外科専門医・股関節専門医として、親御さんの不安を安心に変える診察を約束します。
小さな違和感、どうぞそのままにせず、阿部整形外科クリニックへご相談ください。


