はじめに|股関節痛の「ちょっとした違和感」を見逃していませんか?
「最近、歩き始める時に股関節が痛い」
「座った後、立ち上がる時に足の付け根に違和感がある」
このようなちょっとした違和感や痛みを、年齢や疲れのせいにして放置していませんか?実はそれ、「変形性股関節症」の初期症状かもしれません。
変形性股関節症は早期に発見して適切に対応することで、症状の進行を防ぎ、生活の質を維持することが可能です。今回は股関節痛の初期症状や見逃しやすいサイン、原因について詳しくご説明します。
変形性股関節症とは?
関節軟骨のすり減りで痛みが起こる
変形性股関節症は、股関節を覆う関節軟骨が徐々にすり減ることで起こる疾患です。軟骨が減ると骨同士が直接こすれ合い、痛みや可動域の制限を引き起こします。特に中高年の女性に多く見られますが、最近では若年層にも広がりを見せています。
変形性股関節症の初期症状と見逃しやすいサイン
初期症状①|歩き始めや立ち上がる時の痛み
初期の変形性股関節症では、動き出す瞬間に「ズキッ」とする痛みが特徴的です。特に朝起きて最初に歩き始める時や、長時間座った後に立ち上がる際に痛みが出ます。すぐに収まることが多く、見逃されやすいサインです。
初期症状②|足の付け根の重だるさ
長時間立ったり歩いたりした後に、股関節周辺に重だるさや違和感を感じることがあります。これも初期段階では一時的であり、単なる疲れと思いがちですが、繰り返し現れる場合は注意が必要です。
見逃しやすいサイン①|膝や腰の痛み
変形性股関節症の初期症状は、股関節だけでなく膝や腰に現れることがあります。股関節の動きが悪くなると、身体は無意識に膝や腰でバランスを取ろうとします。そのため、本来の問題である股関節を見逃してしまうことが多いのです。
見逃しやすいサイン②|歩行時のバランスの崩れ
痛みや違和感を避けるために、無意識に片足をかばうような歩き方をすることがあります。家族や知人から指摘されて初めて気づくケースも多く、自分ではなかなか気づきにくい症状です。
変形性股関節症の原因とは?
原因①|加齢による軟骨の摩耗
年齢を重ねると、関節の軟骨は自然と摩耗します。特に股関節は体重を支える大きな関節のため、日常的な負荷により軟骨が徐々にすり減っていきます。
原因②|臼蓋形成不全(先天的要素)
生まれつき股関節の受け皿(臼蓋)が浅い場合(臼蓋形成不全)は、軟骨への負担が大きくなり、若い頃から軟骨がすり減りやすくなります。このような先天的な要素がある場合、若年層でも早期に症状が現れることがあります。
原因③|肥満や過度な体重増加
肥満や急激な体重増加は、股関節への負担を著しく高めます。特に高齢者の場合は関節が弱っているため、症状を進行させる大きな要因となります。
原因④|運動不足や筋力低下
股関節周辺の筋力が低下すると、関節への負荷が増します。適度な運動を行わないと筋力は徐々に低下し、結果的に変形性股関節症を引き起こしやすくなります。
変形性股関節症のリスクを軽減するために
リスク軽減①|定期的な運動と筋力トレーニング
股関節周辺の筋肉を鍛えることで、関節への負担を軽減できます。水泳やウォーキング、ストレッチなど、無理なく続けられる運動を取り入れましょう。
リスク軽減②|適正体重の維持
体重管理は股関節への負担を減らすために非常に重要です。バランスの良い食生活と適度な運動を意識し、適正体重を保ちましょう。
リスク軽減③|早期発見と早めの受診
初期症状やサインに気づいたら、できるだけ早く専門医を受診することが大切です。早期発見で進行を遅らせ、治療の選択肢を広げることができます。
まとめ|股関節痛は見逃さず早めの対処を
変形性股関節症は、初期症状を見逃さずに早期に対処することで、生活の質を大きく維持することが可能です。少しでも違和感があれば放置せず、専門医に相談することが何より重要です。
あなた自身の股関節を守るために、日頃から身体のサインに敏感になり、適切なケアを心がけていきましょう。
違和感のある股関節、放置していませんか?
当院では股関節に特化した診療・検査・リハビリを行っています。
変形性股関節症への進行を防ぐためにも、今すぐ行動を。
- ✅ 専門医による診察
- ✅ レントゲンだけでなくMRI・X線による精密検査対応
- ✅ 再発予防を目的とした運動療法指導
この記事の監修医師
阿部 瑞洋 医師(整形外科専門医)
一般社団法人エンジョイユアワーク 阿部整形外科クリニック院長。股関節手術と保存療法の両方に精通し、股関節疾患の診療経験が豊富。
スポーツ整形や再発予防のリハビリ指導も行っている。
※本記事は医師の監修により、正確かつ最新の情報に基づいて作成されています。
症状や治療法には個人差がありますので、必ず医療機関での受診・相談を行ってください。