「昔に比べて歩幅が小さくなった気がする」「階段を上ると股関節が重い」「立ち上がるときにズキッとする」――こうした変化を50代から感じる方は少なくありません。
早期に気づき対処することで、進行を防ぎ、日常生活を快適に送ることができます。
本ブロブでは股関節専門の整形外科医が、歩幅が狭くなる原因と初期症状、予防法や最新治療法について詳しく解説します。
なぜ「歩幅の変化」に注目するべきなのか?
人は年齢とともに体の変化を感じますが、「歩幅が狭くなる」というサインは見逃されがちです。
実際、患者さんの中には「痛みが出てから初めて受診した」という方も多いのですが、すでに変形が進んでいるケースも少なくありません。
歩幅が小さくなるのは、股関節の可動域が狭まっているサインであり、変形性股関節症の初期段階で現れる典型的な兆候です。
変形性股関節症とは?
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り、関節の変形や炎症を起こす病気です。
日本では特に女性に多く、原因の一つに「臼蓋形成不全(股関節のはまりが浅い状態)」があります。
また50代以降は、加齢や筋力低下、生活習慣によって発症するケースが増えます。
発症のメカニズム
1. 軟骨が摩耗し、関節のクッション性が低下する
2. 骨同士が擦れ合い炎症や痛みを生じる
3. 痛みを避けるために動作が制限され、歩幅が狭くなる
4. 筋力低下と関節の変形が進み、悪循環が加速する
50代から注意すべき初期サイン
以下の症状に心当たりがあれば、早めに整形外科での診察をおすすめします。
- 歩幅が自然に狭くなる:以前より歩き方が小股になった
- 動き始めの違和感:朝起きた時や座った後に立ち上がる際のこわばり
- 階段や坂道の負担感:平地では気にならないが段差で違和感を感じる
- 股関節の可動域低下:あぐらがかけない、足を横に広げにくい
- 靴下が履きにくくなる:片足立ちやしゃがみ動作に制限を感じる
検査で何がわかる?
違和感がある場合、整形外科では以下の検査が行われます。
レントゲン検査
骨の変形や関節の隙間の狭さを確認できます。初期段階では軽度の変化でも、医師は兆候を見逃しません。
MRI検査
軟骨や骨の微細な損傷まで確認可能。痛みの原因が軟骨にあるのか、炎症によるものかを詳細に把握できます。
身体所見
股関節の可動域や歩行の様子を診察し、臨床症状と画像診断を総合的に評価します。
進行を防ぐための予防・改善法
1. 筋力強化
特に大切なのは中殿筋です。股関節を安定させ、歩幅を保つ役割があります。自宅でできるサイドレッグレイズやスクワットが効果的です。
2. 体重管理
股関節には体重の3〜4倍の負担がかかります。5kg減量するだけで関節への負担が15〜20kg分減少すると言われています。
3. 適度な運動
ウォーキングや水中歩行、自転車エルゴメーターは股関節に優しく、持続可能な有酸素運動として推奨されます。
4. 日常生活の工夫
- 和式トイレではなく洋式を使用
- 片足立ちや深いしゃがみ込みを避ける
- 長時間の正座やあぐらを控える
最新の治療法
保存療法
薬物療法(消炎鎮痛薬)、装具療法、リハビリが基本です。
再生医療
近年注目されるのがPRP療法・APS療法です。自身の血液から抽出した成分を注射し、炎症を抑え修復を促します。手術を避けたい方に有効な選択肢です。
手術療法
進行期には人工股関節置換術が選択されます。近年は低侵襲で回復が早い手術法も普及していますが、まずは保存療法・再生医療を優先するケースが多いです。
患者さんの声(事例)
当院に通院されている50代女性の例です。
「歩くときに股関節が重く感じ、歩幅が小さくなってきたのをきっかけに受診しました。レントゲンで初期の変形性股関節症と診断され、リハビリと体重管理を始めました。3か月で歩幅が広がり、旅行も楽しめるようになりました」
このように、早期発見・早期治療が生活の質を守る鍵です。
まとめ
50代から「歩幅が狭くなった」と感じるのは、変形性股関節症のサインかもしれません。
初期段階なら保存療法や再生医療で進行を抑えられる可能性があります。
「痛みがないから大丈夫」と放置せず、違和感を感じた時点で整形外科を受診しましょう。
当院では、最新の再生医療からリハビリまで、一人ひとりに合わせた治療を提案しています。
当院のホームページ https://abe-seikei-cli.com/
再生医療についてはこちら https://abe-seikei-cli.com/prp/?cta-banner
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股関節の違和感、早めにご相談ください
「歩幅が狭くなった気がする」「股関節の動きが重い」そんなサインを感じたら、放置せずに専門医へ。
阿部整形外科クリニックでは、保存療法から再生医療まで幅広い治療を提供しています。
監修医師
阿部 瑞洋 医師
阿部整形外科クリニック 院長
日本整形外科学会専門医/股関節専門医 関節外科・再生医療を専門とする。