:テニスで股関節が痛くなる?実はよくある悩みです
「ストロークのときに足の付け根がズキッとする」
「サーブで踏み込むと股関節が詰まる感じがする」
「試合後に痛みが出て翌日まで引きずる…」
こうしたテニスプレーヤーに特有の股関節痛は、年齢やレベルに関係なく多くの人に起こります。
とくに40代以降のテニス愛好者では、「フォームの癖」や「使いすぎ」によって股関節を痛める例が増えています。
本ブログでは、テニスによって股関節にかかる負担の正体と、痛みを招きやすいスイング動作・予防方法を解説します。
股関節にかかる負担は「回旋動作」と「踏み込み」がカギ
テニスの動作は股関節を酷使している
テニスのスイングやフットワークでは、以下のような動作で股関節に大きなストレスがかかります。
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サーブ・スマッシュでの体幹のひねり(股関節の回旋)
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ストローク時の踏み込みによる圧縮
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方向転換時の切り返しやサイドステップ
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ローショット対応時の沈み込み(深い屈曲)
特に危ない「前脚股関節」に注意
利き手と反対側の脚(例:右利きなら左脚)を軸にして体をひねる動作が多いため、前脚の股関節に偏った負荷がかかりやすくなります。
この繰り返しが腸腰筋の炎症や股関節インピンジメント(FAI)につながることがあります。
考えられる股関節痛の主な原因とは?
① 腸腰筋炎/大腿直筋腱炎(前面の痛み)
サーブやフォアの強打で脚を持ち上げるとき、腸腰筋や大腿直筋が過剰に働き、筋疲労や炎症が起こりやすくなります。
こんな症状に注意
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足の付け根がピンポイントで痛む
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脚を上げるとツッパリ感がある
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痛くて靴下を履きづらい
② 股関節インピンジメント(FAI)
骨同士が衝突することで、関節唇や軟骨がすり減ってしまう状態です。
サーブ・ストロークの際の「捻る+曲げる」動作で生じやすく、若年〜中高年層まで広く見られます。
特徴的な症状
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股関節の奥が詰まるような痛み
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深くしゃがむ・あぐらがかけない
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可動域が狭くなってきたと感じる
③ 関節唇損傷・変形性股関節症(進行例)
痛みが長引くと、股関節のクッションである関節唇が損傷したり、軟骨がすり減って変形性股関節症へ進行することもあります。
フォームの癖が痛みを悪化させる!NGスイングとは?
① 腰が落ちすぎる「沈み込みストローク」
ローショットに対応しようと無理に沈み込むと、股関節に強い屈曲・内旋が加わり、関節への摩擦が強まります。
② 回旋軸がぶれるオープンスタンス
特にフォアハンドで横向きにならず打つ癖があると、股関節の回旋が過度になり、インピンジメントを悪化させることも。
③ 前脚に頼りすぎる「踏み込み強打」
体重を前脚に乗せて踏み込むとき、軸足の股関節が圧迫され、負荷が蓄積していきます。
股関節痛を予防するためのチェックポイントとケア方法
① 正しいウォームアップと股関節ストレッチ
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骨盤周り・腸腰筋のストレッチ(片膝立ち)
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股関節外旋・内旋の可動域拡大運動
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軽いランジやステップで動作確認
② 股関節周囲の筋トレ
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ヒップリフト(大臀筋)
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クラムシェル(中臀筋)
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腸腰筋のアクティブエクササイズ
③ 休養・セルフモニタリング
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痛みが出たら2~3日安静にする
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長引く違和感があればプレーを控える
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左右差や音、引っかかり感を記録する
早期対応がカギ!整形外科でできること
痛みが続く場合は必ず医師の診断を
整形外科では、以下のような検査・治療が可能です。
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レントゲンやMRIによる関節の状態チェック
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股関節の動作評価・徒手検査
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保存療法(薬・注射・リハビリ)
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再生医療(PRP・幹細胞)など低侵襲な治療法
セルフケアで改善しない場合は放置NG
「ストレッチしても治らない」「何度も再発する」場合、関節内部の損傷が進行している可能性もあるため、早めに医師の診察を受けましょう。
まとめ|テニスを続けるために、股関節との正しい付き合い方を
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テニスによる股関節痛は、繰り返しの負荷とフォームの癖が原因
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腸腰筋・関節唇・股関節インピンジメントに注意
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早期診断とフォーム改善、筋力バランスがカギ
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痛みを我慢せず、整形外科での対応を検討しよう
阿部整形外科クリニックでは、テニスによる股関節痛に専門対応【再生医療対応】
阿部整形外科クリニックでは、MRIを用いた精密検査と、スポーツ外傷に詳しい整形外科医が、テニスによる股関節痛に対応しています。
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✅ 股関節インピンジメント・関節唇損傷の診断多数
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✅ PRPや幹細胞を活用した再生医療も選択可能
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✅ 競技復帰を目指すリハビリプログラムあり