「腰の治療を続けているけれど、なかなか良くならない……」
「膝が痛くてヒアルロン酸を打っているが、最近歩くのが辛くなってきた」
もし、あなたがそんな悩みを抱えているなら、少しだけ視点を変えてみてください。
実は、腰や膝の痛みの「真犯人」が、実は股関節に隠れているケースが非常に多いのです。
こんにちは!整形外科専門医、股関節専門医の阿部です。
僕は診察室で、腰や膝が痛いという患者様の「股関節」を真っ先にチェックすることがあります。それは、股関節が人間の身体の中で最も大きな関節であり、全身のバランスを司る「要(かなめ)」だからです。
今回は、なぜ股関節が悪いと腰や膝まで痛くなるのか、その驚きのメカニズムと解決策についてお話しします。

1. 股関節・腰・膝は「運命共同体」です
人間の身体は、バラバラのパーツではなく、すべてがつながった「連鎖」の中で動いています。特に股関節は、上半身と下半身をつなぐ中心地にあります。
【痛みの連鎖:メカニズム】
① 股関節が硬くなる: 変形や炎症で股関節の動きが悪くなります。
② 腰が身代わりになる: 股関節が動かない分、腰が無理に反ったり曲がったりして動きを補おうとします(これが腰痛の原因)。
③ 膝に負担が集中する: 股関節のクッション機能が落ちると、歩く時の衝撃がダイレクトに膝へ伝わります(これが膝痛の原因)。
これを専門用語で「Hip-Spine Syndrome(股関節-脊椎症候群)」と呼んだりしますが、要は「股関節というエンジンが故障したせいで、タイヤ(膝)やボディ(腰)が悲鳴を上げている状態」なのです。

2. 僕が診察で「靴の減り方」や「立ち姿」を見る理由
「腰が痛いのに、なんで股関節のレントゲンを撮るの?」
そう不思議に思う患者様もいらっしゃいます。でも、僕は「痛みがある場所」だけを見ることはしません。なぜなら、原因を叩かなければ、一時的に痛みを抑えても必ず再発するからです。
僕は診察の際、患者様の立ち姿、歩き方、そして「靴の底の減り方」をじっくり観察します。
股関節に不具合があると、無意識に痛みをかばう歩き方になり、靴の減り方に極端な左右差が出ます。その歪みが腰や膝を痛めている証拠なのです。
「僕だったら、僕の家族だったら、痛い場所だけをマッサージして終わりにはしません。一生自分の足で歩くために、根本的な原因から治療したい」
そう考えて、全身のバランスを診断しています。

3. 股関節を治せば、腰も膝も「卒業」できるかもしれません
もし、腰痛や膝痛の原因が股関節の初期の変形にあるのなら、股関節への再生医療が驚くほどの効果を発揮することがあります。
- 痛みの元を絶つ: 股関節の炎症を再生医療(PRP療法など)で鎮めます。
- 動きがスムーズに: 股関節が本来の動きを取り戻せば、腰や膝の「代償動作(無理なカバー)」が必要なくなります。
- 連鎖が止まる: 結果として、あんなに悩んでいた腰痛や膝痛がスッと消えていく……。そんなケースを僕は何度も見てきました。
「~できるようになるといいですよね!」
腰痛のせいで諦めていたガーデニングや、膝が不安で行けなかったお孫さんとの旅行。股関節を整えることで、その夢はもう一度叶えることができます。
4. 心配、困ったら「股関節のセルフチェック」を
「私の腰痛も股関節から来ているの?」と不安になったら、次のことを試してみてください。
- 椅子に座って、片方の足のくるぶしを反対側の膝に乗せてみてください(あぐらのポーズ)。
- 膝が外側に倒れにくかったり、付け根に痛みがあったりしませんか?
もし違和感があれば、真犯人は股関節かもしれません。
「ご家族も、あなたが毎日『腰が痛い、膝が痛い』と辛そうにしているのを心配していますよ」
一人で悩まずに、すぐに来てください。精密な診断で、痛みの連鎖をどこで断ち切るべきか、一緒に答えを見つけましょう。

腰・膝と股関節の関係に関するよくあるご質問(FAQ)
Q:腰のヘルニアと言われましたが、股関節も関係ありますか?
A:大いに関係あります。ヘルニア自体はあっても、実は痛みを出しているのは股関節をかばったことによる筋肉の強張りや、股関節自体の炎症であることも珍しくありません。
Q:膝の人工関節を勧められましたが、股関節も診てもらった方がいいですか?
A:はい。膝の手術をする前に、股関節の状態を確認することは非常に重要です。股関節の動きが改善すれば、膝への負担が減り、手術を回避したり先延ばしにできたりする可能性があるからです。
Q:再生医療は腰や膝にも効きますか?
A:もちろんです。当院では股関節を中心に、膝などの関節疾患に対しても再生医療を行っています。どの部位に打つのが最も効果的か、全身のバランスを見て判断します。
「出来るだけ早く治して、クリニックを卒業しましょう!」
腰痛や膝痛という「結果」に振り回されるのは、もう終わりにしませんか?
股関節専門医の僕が、あなたの身体の「本当の叫び」を聞き取ります。
「もう治らない」とあきらめる前に、一度僕にその痛みを診せてください。

