はじめに|ゴルフをすると股関節が痛い…それ、歳のせいではないかもしれません
「ラウンドの翌日、足の付け根がズキズキする」
「ドライバーショットの後に股関節がピリッと痛む」
「練習のたびに違和感が増してきた」
このような症状を、単なる疲労や加齢のせいにしていませんか?
実は、ゴルフのスイング動作には股関節に強いねじれと圧迫の力が加わるため、知らず知らずのうちに関節や軟骨を傷めてしまうケースが増えています。
このブログでは、ゴルフ好きな整形外科医監修のもと、ゴルフスイングと股関節痛の関係、考えられる病気、予防のためのストレッチや注意点を解説します。
なぜゴルフで股関節が痛くなるのか?
原因1|スイングによる「ひねり」と「圧縮力」
ゴルフのスイングでは、下半身を安定させたまま、上半身を大きく回旋させる動きが求められます。
このとき、軸足(右打ちの人なら右脚)の股関節には、内旋と圧縮のストレスがかかりやすく、蓄積されると関節や関節唇にダメージが起きやすくなります。
原因2|体の硬さとスイングフォームの乱れ
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股関節や胸椎が硬い
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骨盤の前傾・後傾バランスが悪い
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膝や足首の可動域が不足している
このような状態でスイングすると、股関節にかかる力をうまく分散できず、負担が一点に集中して痛みにつながることがあります。
原因3|加齢による関節構造の変化
40〜60代以降になると、関節軟骨が徐々にすり減ったり、骨の変形(骨棘形成)が起こりやすくなります。
こうした変化があると、スイング時の動きの中で関節内に衝突や摩擦が生じ、炎症や痛みの原因になります。
ゴルフ愛好者に多い!股関節の痛みに関連する代表的な疾患
① 股関節インピンジメント(FAI)
股関節の構造異常により、骨盤と大腿骨が動作中に衝突してしまう状態。
スイング動作による屈曲+内旋が引き金になりやすく、特に軸足側の股関節に痛みが出ることが多いです。
こんな症状は要注意
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腰よりも下、足の付け根あたりが痛む
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動作中に「引っかかる」「ズキッとする」
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しゃがんだり開脚すると痛い
② 関節唇損傷
股関節の骨と骨のすき間にある「関節唇」がスイングによる摩擦や衝突で損傷すると、長期的な股関節痛や不安定感を引き起こします。
早期ではレントゲンでは見つけづらく、MRIでの精密検査が必要です。
③ 初期の変形性股関節症
軟骨が徐々にすり減り始めている段階では、「違和感」や「重だるさ」程度で自覚症状が少ないのが特徴。
しかし、無理にプレーを続けることで、炎症や骨変形が進行するリスクがあります。
ゴルフ前後に取り入れたい!股関節ケア&予防ストレッチ3選
① ランジ+骨盤前傾キープ(腸腰筋ストレッチ)
やり方:
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片足を前に出し、後ろ脚は膝を床につける
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骨盤を前に押し出し、股関節前面をじんわり伸ばす
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20秒×左右2回
ポイント:腰を反らさず、骨盤を水平に保つ
② 仰向け膝倒し運動(骨盤と股関節の連動調整)
やり方:
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仰向けで両膝を立て、左右に交互にゆっくり倒す
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股関節に痛みがない範囲で繰り返す(10回×2セット)
ポイント:脱力してゆったりと動かすことで関節内の循環が促進
③ 四股ストレッチ(股関節の内旋・外旋を整える)
やり方:
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足を肩幅より広く開き、軽くしゃがむ
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両手で膝を外に押しながら、体を左右に揺らす
ポイント:無理な開脚にならない範囲でリズム良く
こんな症状がある場合は整形外科へ
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ゴルフ後、股関節の痛みが2日以上続く
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動かすたびに“ゴリゴリ音”や“引っかかり感”がある
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股関節の可動域が狭くなってきた
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痛みでスイングや歩行に支障が出る
受診時に伝えるべき情報
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痛みが出る動作(トップ?フィニッシュ?)
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痛みの出る足側(右利きで右?左?)
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ゴルフ歴とプレー頻度
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スイングタイプ(クラシック or モダンなど)
まとめ|“ゴルフ股関節痛”は我慢せず、原因から見直そう
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ゴルフスイングは股関節に大きなストレスがかかる
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股関節インピンジメントや関節唇損傷が痛みの原因になることも
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ストレッチや体の使い方を工夫することで予防・改善が可能
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痛みが続く場合は、整形外科での早期診断が安心
スコアも大事。でも、それ以上に大切なのは長くゴルフを続けられる体を守ることです。
「ちょっとおかしいな」と思ったら、我慢せずご相談ください。
阿部整形外科クリニックでは、ゴルファーの股関節痛にも専門対応
当院では、ゴルフやスポーツによる関節の不調に対して、的確な診断と専門的な治療を行っています。
MRIによる精密評価に加え、PRP療法による再生医療など、手術に頼らない治療法もご提案可能です。
✅ ゴルファー特有の症状に対応する評価法
✅ スイング動作に基づいた理学療法
✅ 専門医による原因特定とリスク回避のアドバイス