「痛みの原因がわからない」「レントゲンでは異常がないと言われた」そんな経験はありませんか?
近年、整形外科領域では超音波(エコー)を用いた診断と治療が急速に普及しており、従来の画像検査では見えなかった組織の状態や、注射の正確な位置確認にも役立っています。
本記事では、「整形外科 超音波 診断と治療 治療」というキーワードを軸に、エコーの活用法、メリット、対応疾患などを2000字以上でわかりやすく解説します。
整形外科で使われる「超音波診断」とは?
超音波画像の仕組みと特徴
超音波診断とは、皮膚の上から音波を送信してその反射を画像化する検査方法です。X線とは異なり、放射線被曝がなく、筋肉・腱・靭帯・神経・血管などの軟部組織をリアルタイムで観察できる点が大きな特徴です。
整形外科領域での用途
- 肩・肘・膝など関節の異常の可視化
- 筋断裂や腱損傷の評価
- 滑液包炎や腱鞘炎の診断
- 神経や血流の観察
超音波検査は、その場で動かしながら観察できる「動的評価」が可能で、患者さん自身もモニターで状態を確認できるため、理解と納得の高い診療が行えます。
超音波を使った整形外科治療の進化
1. 超音波ガイド下注射療法
従来、関節注射や神経ブロックなどは解剖学的な「経験」に頼って行われていましたが、現在はエコーで注射針の位置を確認しながら正確に投与する方法が主流になっています。
これにより:
- 薬剤が正確な位置に届く
- 神経・血管を避けて安全に注射が可能
- 痛みや不快感が最小限
たとえば、肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)や膝関節の滑液包炎などでは、エコーを使うことで治療効果を高めることができます。
2. 超音波ガイド下の再生医療・PRP注射
再生医療の一つである自己血由来のPRP(多血小板血漿)注射や、幹細胞治療でも、超音波で患部を正確に狙うことで効果的な注入が可能になります。
特に、膝の変形性関節症やアキレス腱炎、テニス肘などでは、ピンポイントの治療が結果を左右するため、エコー併用が重要視されています。
3. 超音波を用いた疼痛緩和機器(LIPUSなど)
診断だけでなく、治療機器としても超音波が使われます。代表的なものがLIPUS(低出力パルス超音波)で、骨折の治癒促進や、筋・腱損傷後の回復をサポートします。
超音波の微細な振動により血流が促進され、痛みの緩和・組織修復が進むことが期待されています。
整形外科での超音波診断が有効な代表的疾患
- 肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
- 腱板損傷、石灰沈着性腱炎
- テニス肘・ゴルフ肘(上腕骨外側/内側上顆炎)
- 腱鞘炎(ドケルバン病、ばね指)
- 膝の関節水腫、滑液包炎
- 足関節捻挫後の靭帯損傷
- 坐骨神経痛、梨状筋症候群
これらの疾患はレントゲンやMRIでは判断が難しいことも多く、診断の補助ツールとしてエコーの価値が高まっています。
超音波診断と治療のメリット・デメリット
メリット
- 放射線被曝がない
- リアルタイムかつ動的評価ができる
- その場で診断・注射・処置ができる
- 痛みが少なく安全性が高い
デメリット
- 深部の骨や軟骨の描出は難しい
- 検者の技術に依存する(習熟が必要)
つまり、超音波診断は経験豊富な整形外科医が使うことで最大の効果を発揮する技術なのです。
まとめ|整形外科の診断と治療における超音波の役割はますます重要に
超音波(エコー)を活用することで、整形外科診療の質は格段に向上しています。
特に「原因不明の痛み」「レントゲンでは異常がないけれど痛い」「注射が効かない」という方には、超音波診断とガイド下治療の併用が有効なアプローチとなるでしょう。
当院でも、エコーによる画像診断を取り入れた精密な検査と、安全性の高い注射治療を提供しています。
痛みや違和感でお悩みの方は、ぜひ一度、超音波による診断と治療をご体験ください。
「原因不明の痛み」でお悩みの方へ|超音波診断で一歩先の整形外科へ
「レントゲンでは異常なしと言われたけれど、まだ痛い」
「注射の効果がよく分からない」「詳しく原因を知りたい」
そんなお悩みをお持ちの方には、超音波診断とガイド下治療が有効です。
当院では、整形外科専門医が最新の超音波機器を用いて、診断から治療まで一貫してサポートいたします。
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この記事の監修医師
阿部整形外科クリニック 院長 阿部 瑞洋(あべ みずひろ)
日本整形外科学会認定専門医。超音波診断装置を駆使した筋骨格系の精密診断と、安全性の高い注射治療に豊富な実績を持つ。
武蔵野市・三鷹市・杉並区など地域に根差した整形外科医療に取り組んでいる。