「骨がもろくなる病気」として知られる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)。特に閉経後の女性や高齢者に多く、放置するとちょっとした転倒で骨折してしまうリスクがあります。
そんな骨粗鬆症に対しては、飲み薬だけでなく注射による治療もあることをご存じでしょうか?近年では、月1回や半年に1回の注射で骨密度を改善し、骨折を予防する治療法が注目を集めています。
本ブログは、「骨粗鬆症 注射 治療」というキーワードをもとに、注射治療の特徴や種類、副作用、費用感などを詳しく解説します。
〇骨粗鬆症の注射治療とは?
骨密度の低下を薬で食い止める治療法
骨粗鬆症は、骨の密度(骨密度)が低下し、骨がスカスカになってしまう病気です。進行すると骨折しやすくなり、生活の質が大きく下がってしまいます。
注射治療は、骨の形成を促進する作用や、骨の吸収(分解)を抑える作用を持つ薬剤を体内に直接届ける治療法です。内服薬が苦手な方や、効果をしっかり出したい方に適しています。
注射治療のメリットとは?
- 内服薬よりも強力な効果が期待できる
- 週1回、月1回、半年に1回など、服薬管理が楽
- 医師による管理のもとで確実に治療できる
とくに継続が難しいと感じている方や、過去に骨折歴がある中等度〜重度の骨粗鬆症患者におすすめされるケースが増えています。
〇骨粗鬆症の注射薬の種類一覧
現在、骨粗鬆症治療に使われている主な注射薬は、大きく以下の3タイプに分類されます。
1. ビスホスホネート製剤(BP製剤)
骨を壊す「破骨細胞」の働きを抑える作用があります。骨吸収を抑えることで、骨密度の低下を防ぎます。
- 薬剤例:ボンビバ注(イバンドロン酸)
- 頻度:月1回または3ヶ月に1回の静脈注射
2. ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体(デノスマブ)
骨吸収の原因物質であるRANKLをブロックすることで、破骨細胞の働きを抑制します。
- 薬剤例:プラリア
- 頻度:6ヶ月に1回の皮下注射
半年に1回の注射で済むため、通院の負担が少ないのも魅力です。
3. 副甲状腺ホルモン(PTH)製剤
骨を作る「骨芽細胞」を活性化する唯一の注射薬です。骨折リスクが非常に高い重症例に用いられます。
- 薬剤例:フォルテオ、テリボン
- 頻度:毎日または週1回の自己注射
骨形成を促す強力な効果があるため、骨折を繰り返している方や、骨密度が極端に低い方に処方されます。
他にもイベ二ティと言った薬や、同じ製剤でも投与間隔が変わったものもあります。
〇注射治療の副作用や注意点
注射治療には多くのメリットがありますが、副作用のリスクもゼロではありません。薬剤ごとに主な注意点をご紹介します。
ビスホスホネート系注射の副作用
- 注射後の発熱・倦怠感
- 低カルシウム血症(まれ)
プラリアの副作用
- 感染症にかかりやすくなる可能性
- あごの骨の壊死(非常にまれ)
PTH製剤の副作用
- 吐き気やめまい
- 長期使用で骨肉腫のリスク(動物実験)
いずれも定期的な血液検査や医師の管理のもとで使用すれば、安全性は高いとされています。気になる症状がある場合は、すぐに医師に相談しましょう。
〇注射治療の費用はどれくらい?
注射薬の費用は薬剤の種類や保険の適用によって異なりますが、概算は以下の通りです(3割負担の場合)。
- ボンビバ(月1回)…約2,000〜3,000円/月
- プラリア(半年に1回)…約5,000〜6,000円/回
- フォルテオ(毎日)…約15,000〜20,000円/月
自己注射タイプの薬剤は在宅管理が必要になりますが、長期的には骨折の予防につながるコストパフォーマンスの高い治療といえます。
〇どんな人に注射治療が向いている?
注射による骨粗鬆症治療は、以下のような方に特に適しています。
- 過去に骨折の既往がある方
- 内服薬で副作用が出た方
- 薬を毎日飲むのが難しい方
- 短期間で骨密度を改善したい方
医師との相談の上で、自分に合った治療法を選択することが大切です。
〇まとめ|骨粗鬆症の注射治療で骨折リスクを予防しよう
骨粗鬆症は「サイレントディジーズ(静かな病気)」とも呼ばれ、気づかないうちに進行してしまいます。日本では、「いつの間にか骨折」と呼ばれる、圧迫骨折のリスクにもなります。
しかし、注射による治療で骨密度の改善や骨折リスクの軽減が可能です。継続が難しい内服薬に比べて、通院頻度が少なく効果の高い治療法として注目されています。
骨粗鬆症と診断された方、治療がうまく続かない方、骨折のリスクが高い方は、注射治療という選択肢もぜひ検討してみてください。
〇骨折を防ぐために、今すぐご相談ください
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院では、プラリア・フォルテオ・ボンビバ・イベ二ティなどの注射治療を症状に応じてご提案しています。
骨折する前の予防が、将来の健康寿命を延ばすカギになります。
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